AIS[株式会社エー・アイ・エス]日本人のためのインテリジェンス

わたしたちは、みなさまの笑顔を守るため、また新しい活力溢れる未来をつくるために質の高いインテリジェンスでお守りします。

マネー

[2008.03.14] ○○税の季節に〜忘却のリスク

 「道路が必要」というより、ある特定の勢力(業界・官僚およびこれに連なる政治屋)が税金を吸い上げるために、「道路工事が必要」と聞こえなくもないガソリン税の暫定税率問題ですが、本当に道路が必要なら、特定財源のまま置いておくのでなく、ちょっと前まで政権を放棄した前首相が主張していたように「一般財源化」して、正々堂々の予算要求をしてはどうかと思います。
 でも、この話もまた、どのように決着がついたとしても、喉元過ぎれば何とやらですぐに忘れ去られるのでしょうね。税金に限ったことではありませんが、この忘れっぽさは何とかならないものでしょうか。約20年前、消費税導入の際にも大騒ぎがありました。今を時めく「格差」問題の税制上の基盤が、この前後に作られ始めた(一方で所得税率の引下げ・フラット化が始まった=税率は低いほど、刻みが少ないほど多く稼ぐ人が有利になる)のですが、一般の関心は元号の変更やバブル経済の狂騒→崩壊へとあっという間に移り、「今」に繋がっているわけです。

 一つの大きなガンは、「源泉徴収→年末調整」という税金の取られ方にあるのだろうと思います。同じ日本人でも、「税金をいくら払ってやろうか」と裁量できる立場の人がいて、一方では「あんたの税金はこれこれ」と予め決められて収入発生のつど天引きされ、たいていの場合が取られ過ぎで、年末に過払い分を戻されてなぜか嬉しがる多くの人がいる・・・。制度上、明らかな差別扱いなのに、怒る人がほとんどいません。
 遡ること約70年前(1940年)、ナチス・ドイツのやり方に倣って始まったと言われる「源泉徴収」制度に、どっぷりとなれ親しんできたことが、税金の話は「わからない」「面倒くさい」「関係ない」という態度や、熱しやすく冷めやすい性格を十二分に定着させてしまったのではと・・。

  今年の夏以降、「社会保障の水準維持」を人質に取った(陰険です)、「消費税率引上げ是か非か」の問題が浮上することでしょう。これ、年金生活者やワーキング・プアと呼ばれる人たちにとっては死活問題。消費税の税率は基本的に一律ですから、対収入の負担率が、収入が少ない人ほど高くなる傾向(逆進性)があります。
 また、公的年金は当分の間、物価が上がっても、その上昇率通りには年金額が増えないことになっています(マクロ経済スライド制)。消費税率が3%から5%になった時も、その分が商品・サービスの価格に転嫁されて物価が上がりました。つまり、税率アップは、公的年金への依存度が高い人を直撃する可能性があります。
  要は、簡単には上げさせないことでしょう。アップするにしても、生活必需品の税率を軽減するとか、非課税の範囲を広げるといった方策が考えられます。また、ライフスタイルそのものを見直す必要が出てくるのかもしれません。


他の記事も読む