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[2008.04.21] 「貯蓄から投資へ」考

 「貯蓄から投資へ」。このスローガンは、数年前から政府、投資業界、識者などにより唱えられ始めたわけですが、サブプライム・ショックの大波が、せっかくの関係者の努力に、大量の冷水を浴びせつつあるようです。
 このスローガンは、多くの人を伝統的な預貯金・保険(=貯蓄)から株式・投資信託などの証券商品(=投資)へ誘い、間接金融から直接金融へシフトさせようということでしょうが、今回のような相場につきものの変動について行けなくなったり、リスク軽減・元本確保型の投資信託や払込み保険料(元本)分を保証する変額年金など、不思議な投資型?商品の人気化といった現象を見ていると、時期尚早だったと考えずにはいられません。
 どうも、いわゆる「貯蓄」と「投資」との 間にある大きくて深い溝についての、言い換えれば「投資」に乗り出すことの最も基本的な事柄についての、認識がはっきりしていないのだろうと思います。
 「貯蓄」は「自然」の成り行きに任せておけばよい世界です。例外もなくはありませんが、 「いつ頃までにどれくらいの収益が得られるか」が事前に見えています。また、多くの貯蓄型商品には「満期」というものがあり、自然に終わりがやってきて、それがリセットのタイミングを作ってくれます。  
 一方、投資のほうは、欲や期待はともかく、 収益の度合いが事前には見えません。また、すべての株式、投資信託の多くには「満期」がありません。つまり、投資は「いつ頃までにどれくらいの収益を得るか(どんな状態になったら損切りするか)」をすべて自分で決める必要のある「自決」の世界です。
 この手の声高に叫ばれるスローガン、例えば小泉氏の「改革なくして成長なし」も同じことですが、気軽に乗ってしまうと、とんでもない危険に曝されることが少なくないように思われます。「貯蓄」と「投資」は、ある意味、別次元の運用方法です。


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