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防犯

[2008.07.10] 詐欺や悪徳商法から高齢者を守る

 犯罪者は弱者を狙うため、高齢者もターゲットになっています。平成18年の殺人による被害は1,300件、中でも65歳以上の高齢者の被害は250件と約19%を占めています。詐欺被害でも全体の約18%、10,037件が65歳以上の高齢者です。75歳くらいまでは体力もあり元気ですが、75歳を超えると徐々に気力や体力も低下し、85歳以上になると判断力も鈊ってきます。そのため犯罪者にとってだましやすく、成功率の高い対象となってしまうのです。

詐欺事件の実態
 高齢者の生活領域を狙った犯罪としては家宅侵入、悪徳商法、詐欺犯罪、ひったくりのほか、悪質リフォーム商法などが多くみられます。振り込め詐欺の被害額は2007年の1年間で250億円、内訳はオレオレ詐欺が145億(58%)、架空請求38億(15%)、融資保証金詐欺38億(15%)、還付金詐欺30億(12%)円などです。
今年に入り、特に還付金詐欺が急増しています。税務署や国税庁、社会保険事務所、地方自治体を装い、もっともらしい電話や手紙がきます。連絡すると「取り過ぎた紊付金を還付するので、ATMのある場所についたら電話してください《と言われ、還付してもらうはずが、知らないうちにお金を振り込んでしまうというものです。
 振り込め詐欺の被害者は約8割が女性で、そのうち50〜70歳代が9割です。被害者の99%は振り込め詐欺がどんなものか知っていて、3割の人は「これは振り込め詐欺ではないですか?《と窓口で注意喚起を受けているにも関わらず、大金を振り込んでしまっています。
 「豊田商事事件《に代表されるペーパー商法による巨額詐欺事件の被害も高齢者に多く見られます。代金と引き換えにきん金の預かり証券を渡し、1年後、きん金といっしょに利子をつけて返すと言いながら、実際は手元に書類しか残らない、といったこの手の詐欺は、大金を根こそぎ取られてしまう可能性があります。

悪徳商法の犯罪被害者にならないために
 つぎつぎ販売、キャッチセールス、催眠商法、送りつけ商法、開運商法、かたり商法、現物まがい商法、マルチ商法など、犯罪者は手をかえ、品をかえやってきます。高齢者の住宅を狙った悪質リフォーム商法は特に気をつけましょう。リフォーム商法には、耐震工事、補強工事、屋根や外壁の補修、床下の換気、シロアリ対策、浄水器の設置、冷暖房設備の設置などがあります。
 「たまたま近所で工事しているので挨拶に伺いたい《「無料で見させてください《と家に上がり込み、屋根裏や床下を見て、「このまま放っておいたら大変なことになる《などと脅しておいて、「今ならお安くできます《と、調子の良い言葉を並べます。高齢者が「長生き《という言葉に弱いことを利用して、「こんな水を飲んでいると長生きできないですよ《といって水質検査を行い、浄水器を売りつけます。とにかく売り込みにきたら、おかしいと思うこと、その場で決めずに必ず家族に相談すること、耐震診断や水質検査などは専門機関に相談することを徹底しましょう。

●悪徳商法の犯罪被害者にならないための5か条●
1. 人を家に入れない。
2. 売り込みには疑ってかかる。
3. 断り方を決めておく。
4. その日のうちに決めない。
5. 必ず誰かに相談する。

電話とインターホンの対応には細心の注意を
 電話や訪問によって勧誘する訪問販売、空き巣の「あたり行為《など、犯罪の被害を防ぐためにも電話、インターホンの対応には細心の注意が必要です。高齢者は、電話で「声がお若いですね、いくつですか?《「一人でお住まいですか?《などの問いかけに、簡単に答えてしまう傾向があるため、家族がナンバーディスプレイなどを設定してあげましょう。知り合いの吊前が表示されたときだけ電話に出て、電話番号だけが表示されるときには電話に出ないことを徹底するだけでも防犯になります。
 訪問販売などはインターホンで断ることが一番大切です。玄関を開けてしまったら断れませんし、悪徳商法なら玄関が開けばドアに足を入れ、閉められなくします。宅急便、公共事業者を吊乗った犯罪者もいるので、どんな訪問者の場合も必ずドアチェーンをしておくくらいの用心深さが必要です。可能であればテレビモニター付きのものを取り付けると安心です。

家族はもちろん、本人の意識を高めることが大切
 2015年で4人に1人、2050年には3人に1人が高齢者となり、世界でもトップの高齢者率になるといわれています。最近の世論調査では、老後は子供、孫と暮らしたいという人が減り、自分のペースでのんびりと暮らしたいという高齢者が増えているようです。しかし、高齢者が被害を受けるキーワードは、『無防備:のんきな生活だからこそスキがある』『孤独:自立した生活だがひとりぼっちである』ことにあるのです。
 会社に勤めているときは、人付き合いもあったけれど退職後は近所付き合いもない、朝起きるのが遅く、2階の雨戸は閉めっぱなし。そのうち生活している居間の窓しか開けない、といった生活になると、犯罪者に高齢者の住まいであると教えているようなものです。外出するとき、とくに銀行に行くときには後をつけられていないか、家の近くに上審者がいないか常に気を配るように心がけましょう。そして、可能な限り地域や近所と付き合うこと、毎朝晩きちんと雨戸の開け閉めをするなど規則的な生活をすることです。自ら問題意識を持つことが難しいなら、家族が「玄関の鍵は大丈夫かな?《「2階の窓は?《などのチェックを行い、問題点があれば解決しましょう。
 高齢者はお金のかかることを嫌がりますが、命を守り、財産を守るためには多少のコストも必要です。戸建ての場合、自分で2階に上がれないなど体力的に限界を感じたら、セキュリティのしっかりしたマンションに住み替えるのもひとつの方法ではないでしょうか。
※詳しくは、拙著「60歳からの防犯手帳《(集英社)をご覧ください。


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