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災害・事故

[2008.07.15] 地震名で三次災害

   2008年6月14日、岩手・宮城の県境にある「餅転(もちころばし)−細倉断層帯」を震源とされるM7.2の地震が発生した。この地震で死者・行方不明22名の痛ましい犠牲を出した。ご冥福をお祈りすると共に、ご遺族と被災者に心よりお見舞い申し上げます。

 気象庁の「岩手・宮城内陸地震」という命名に、私は当初から漠然とした違和感を覚えた。そして現地を回ってこの地震名は誤解を招く命名であり、一刻も早く訂正すべきではと考えるようになり、風評被害で苦しむ地元産業の姿に、それは確信となっていく。  被害の大部分が地すべりや土砂災害など栗駒山周辺に限定されており、平野部の建物被害はほぼゼロ。震度6強を記録したという栗原市、奥州市を高所から見ても、ブルーシートなどまったく見えない。これは震度の発表基準にも問題がある。多数配置されている地震計観測データのうち、最大震度だけをその地域の震度と特定することになっているからである。山間地を除く栗原市内の大部分が震度6弱または震度5強で市街地は被害無しであったとしても、栗原市に属する栗駒山の地震計が震度6強を観測すれば「栗原市・震度6強」と発表される。もし内陸全体が震度6強の揺れであれば、少なくとも数千戸から数万戸の全半壊が出ても不思議ではないが、この地震全体の建物被害は、全半壊62棟でしかない。単純比較はできないが、昨年の中越沖地震(M6.8)でさえ全半壊は6,940棟にのぼる。もちろん被災者個人にとっては、大変な災害であることは間違いないが、基本的には局地的山岳地震である。
 それなのに、繰り返し「岩手・宮城内陸地震」の報道で、他県の人々に両県内陸部が甚大被害に見舞われたと認識させてしまった。その結果、観光地、旅館、ホテルにはキャンセルが殺到している。これは風評被害というより、命名を誤った「三次災害」である。一刻も早く「栗駒山直下地震」に改めるべきではないだろうか。
 そして両県を応援するためにも、この夏は涼しい両県で会合を開き、観光に行かなければと思う今日この頃である。

 岩手・宮城内陸地震現地調査リンク先 http://www.bo-sai.co.jp/iwatemiyagijisin.html


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