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災害・事故

[2008.04.14] 首都直下地震で二次被害者を出さないために

 首都直下地震(M7.3)が平日の昼12時ごろ発生した場合、職場、学校、買い物先など自宅以外の場所に外出中の人は1,397万人で、そのうち、1,252万人が徒歩で帰宅するというシミュレーションを中央防災会議が発表した(平成20年4月2日)。 その場合、都内の路上に帰宅しようとする人が殺到し、約475万人が「ラッシュ時の満員電車並み」の「1u当たり6人以上」の密集状態に巻き込まれ、そのうち約200万人は3時間以上にわたり過密・密集状態に陥る」という。都心から横浜市(約30Km)までは通常徒歩で7時間だが、災害時帰宅は15時間かかり、約20Km離れた埼玉県和光市や千葉県千葉市でも平時の3倍の15時間かかると推定しているとなっていた。

 そこで、上記想定どおり歩けるのか実験してみた。通勤時のサラリーマンが歩く速度は、時速約4.3Km〜5.7Kmだが、中央防災会議が想定する密集状態ではどうなるのか。50人を1u当たり6人以上の密集状態で歩いてもらうと時速約0.432Kmだった。つまり3時間で約1.2Kmしか進めないのだ。例えば横浜まで帰ろうとした場合、最初の3時間で1.2Km進み、残りの28.8Kmを余震、瓦礫、火災、過密群衆の中を歩くとすれば、平均時速約5Kmの3倍かかると推定されるのでプラス17時間と考えると、災害時は都心から横浜までは想定の15時間ではなく約20時間以上かかることになる。平時想定実験でも、ハイヒールで東京駅を正午に出発し、第一京浜国道で横浜を目指した女性は8Km地点で足の指に血が滲みダウン。私も5時間かけて六郷大橋(18Km地点)に到達するも、日没と寒さであえなくギブアップ。災害直後は革靴やハイヒールで20Km以上歩き、日没前に帰宅することは到底無理だと思った。

 災害時帰宅困難者とは、自宅まで20Km以上離れている人のことを指すが、混乱した群集の中を帰宅することは将棋倒し、群集雪崩など二次被害に巻き込まれる危険がある。大規模災害発生時、10Km以上離れたところにいた場合や帰路の安全が確認できない可能性がある場合、安全が確認できるまではできるだけ帰宅すべきではない。緊急に帰宅しようとする理由の大半は家族が心配だからである。家族の安否確認さえできれば、あえて危険を冒し急ぎ帰宅する必要はないのだ。事前に安否確認優先順位を家族同士打ち合わせ、災害用伝言ダイヤル(171)、災害用伝言板メールなどの連絡方法を予め決めた「緊急連絡メモ」を家族全員が持つこと。また、高齢者・障害者・乳幼児など要援護者家族がいる場合、普段から隣人・民生委員等との助け合いネットをつくっておくことも大切。 通勤・通学者は、ロッカーに「帰宅支援グッズ」を入れておいてほしい。また、企業は「時差・翌日分散帰宅計画」をいまのうちに立てるべきだ。そして、行政は買い物客等の一般帰宅困難者を短時日でも受け入れることのできる「帰宅困難者避難・保護施設」を一刻も早く整備しなければならないのだ。

帰宅支援グッズ: http://www.kokuyo-st.co.jp/solution/bousai/bousai-tatsujin/item02.html


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